毎週通っている Stanford Continuing Study の英会話のクラス、 DAY8は前回までの、「相手を説得する」、という行為に加えて、合意を形成する、という内容でした。前回までは自らの意見の正当性を主張する事に主眼がありましたが、今回は、正当性を主張する事に加えて、必要に応じて相手の意見に合意する、という行為が必要になります。
具体的には、「宇宙人といつか交信することを目的として小型のロケットに荷物を載せる場合、何をのせるか?」といった合意しやすい(比較的どうでもよく、かつ今まで考えた事も無い話題だからですかね)お題についてペア、グループで5分ほど話し合い結論を導きだす、という練習からスタートしました。そして、ディベートと、合意形成を目標とする議論においては、何が異なるか? という点についてクラス全員でディスカッションしました。
その後、徐々にグループ内で意見が分かれそうな(白熱しそうな)お題についてグループでの合意形成を目指して議論をする、という練習を繰り返しました。
合意形成をする場合においては、お互いが持っている本質的な興味、目標の中に一致する部分を探し、共通の目標を達成し、かつお互いの興味を損ねないようにお互いの主張を集約することがポイントとなります。そのためには、何らかの案を提案する「具体的な理由」を質問する事にはじまり、徐々にその背景にあるより高次の「本質的な興味、目標」を明らかにしていく事が必要になります。この、より高次の興味を明らかにしていくための質問をする能力、および説明する能力が今までのトレーニングで培われてきた内容と結びつくようです。
正直に言って、今回のクラスはやや消化不良の感がありました。確かに、ディベートと合意形成のための議論を比較する事で、合意形成のために必要な会話の仕方を学ぶ、という点は色々な違いが見えやすい、という意味で興味深いです。一方で、合意形成のために必要な会話の仕方として「高次の興味を明らかにする」だけだと「それだけかなーー」という印象を持ってしまいます。もう少し具体的に、「交渉における相手の興味、本質的な興味とはいったい何か」、といった点についての考察を行わないと納得感に欠けるかなと。
もっとも、合意形成、交渉という内容は、それだけで専用のクラスが立ち上がるような内容ですから、英会話の延長上で、かつ150分の授業で触れられるのはほんの入り口まででしょう。英語をツールとして使いこなすというゴールとして「このような合意形成が出来るようにならないと行けないんだ」という事を再確認した、という意味では有意義な授業でした。
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