毎週通っている Stanford Continuing Study の英会話のクラス、 DAY5は意見を述べるにあたって、意見をサポートする具体的な証拠、および前提となるより高次のコンセプト、を言えるようになることを主眼においたトレーニングでした。
まずは、説得力のある、かつ面白い意見が一般的に持つ構造について、大学の先生が化石燃料の使用是非について論じているビデオを見ながら、ディスカッションです。そこで紹介された意見の構造は以下のようなものです。
- Begin 自分が何を述べたいのか、どのような結論なのか,といったOverview
- Evidence 結論をサポートする具体的な論拠
- Abstract その結論をより一般化すると何が言えるか、反対側の立場にたつとどのような反論が言い得るか
- Tangent (これ未だに理解できていないのですが、結論に関連するトピックの紹介、というイメージ)
- Conclusion 結論
という流れでした。具体的なEvidenceを入れる、Overview, Conclusionといった構造は比較的良く目にしますが、Abstract, Tangent, という部分を意識して構造の中に含めるのは、珍しい気がします。
実際にAbstractって何を言うのよ?ということで、授業の後半では、特定のトピック、例えば、アメリカの医療保険は国営化されるべきか? タバコは全面的に禁止されるべきか?、について意見をまとめる練習、特にAbstractな内容を考える練習を行いました。「タバコの禁止の是非」というトピックであれば、賛成、反対という立場それぞれから、Evidence, Abstractに該当する内容をブレストしてきます。例えば出てきた内容は、、
- 全面禁止に賛成、タバコは健康を害する。また 副流煙による健康被害もある
- 反対、なぜならタバコで健康を害するのは事実だが、健康を害するのは個人の自由
- ここでいう、「究極的には、個人の選択の問題であり個人の自由が尊重されるべき」がAbstractに該当します
- 賛成、なぜならタバコで健康を害した人の医療コストは社会が負担するため、個人の選択野問題ではない
- ここでは、「社会が負担する医療コストが増大するのは避けるべき」がAbstractに該当
最終ゴールは、会話の中において意見を述べるあたり、上記のようなAbstract な内容を具体例とともに意見に盛り込むことになります。ただし、こういった内容をいきなり「述べよ」と言われてなかなか思いつくものではない、ということでまずはブレストしてコンテンツを考える練習を行っている訳です。自分に興味のあるトピックであるならともかく、さほど興味のないトピックについてもそれなりに考えられるようにするためには、英会話を離れて、日頃からこういった内容について考えるトレーニングが必要ということなのでしょう。
最後は、「内燃機関の自動車の未来はどうなるか?」について上記を意識して意見を2分間で述べるという練習を行いました。
このようなレベルになってくると、英会話の練習といっても、コンテンツがどれだけ洗練されているか、と言ったポイントがトレーニングの中心になってきます。 英語文化圏の人からみて説得力のある意見を述べるためには、そのためのコンテンツを日頃から準備しておく、またはその場でコンテンツを考える、という練習が重要になってくることを実感した1日でした。
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