前の記事にも書いたThe Art of Conversation クラス、これまで2回受講しましたので復習もかねてブログに書いておきます。まずは初回の内容から。
初回はイントロをかねて、The American Council on the
Teaching of Foreign Languages (ACTFL)にて定義されている会話の流暢さのレベルの紹介、および会話の流暢さを向上させるためのポイントの紹介がありました。自分なりに重要と感じたポイントは2点。
1)会話する文章の構造を自己評価する事が重要
ACFTLのモデルでは、流暢さに応じて会話する文章の構造が異なる事に注目してレベルを定義しています(もちろん他にも正確さ、コンテンツなど色々ありますが)。「文章の構造」は流暢さの自己評価に使えるのではないかと思いました。
具体的には、会話する内容が、最初は「単語の羅列(Novice)」から始まり、単文(Intermediate)、パラグラフ(Advanced)、と文章が複雑化、かつ長くなっていき、最後はコンテンツを自由にコントロールしながら適切な内容を適切な文法、語彙をもって離す事ができるようになっていく(Superior)、というもの。
レベルがあがるにつれて、構造が複雑化していくのは当たり前と言えば当たり前なのですが、この定義が秀逸だなと思うのは、比較的自分で自分のレベルを評価しやすい、という点です。正確さ等は話をしている最中はなかなか自己評価できない(というか評価する余裕も無い、、、)ものですが、自分が会話している文章が、どのくらい複雑な構造をしていたか、は簡単に思い返せるのではないかと。 そのため、自己評価(自分が会話している中で自分がどのレベルで話をしているのか)を行う上ではわかりやすい指標になりそうです。
2)会話する文章のコンテンツに関わらず一定のレベルに行く事が重要
ACFTLのレベルを評価するにあたってはインタビューをするのですが、インタビューにあたっては必ず複数のトピックについて会話を行うとのこと。
特定の「得意なトピック」、例えば自分がとても興味を持っている内容においては流暢に話ができるものの、「得意ではないトピック」においては途端に流暢さのレベルが下がる事があるためだそうです。 当然の事ながら、インタビュイーの実力、レベルは、トピックの得手、不得手に関わらず発揮できる力になります。そのため、複数のトピックにおいて安定した力を発揮できるかどうかが重要なポイントになります。
逆に英会話学習者の視点から見ると、会話能力をあげるためには「得意ではないトピック」についても話ができるようにトレーニングする事が大事なんだと思いました。ま、コレも当たり前ではあるのですが、、、。上記のポイントと絡めて考えると、特に興味が無いトピックにおいても、「会話する内容を複雑化してパラグラフ化していく」していく努力が必要なのでしょうね。
ACFTLの理論についての説明の後に、練習を行います。 DAY1の練習のお題は、"Description" でした。何らかのモノ、コンセプトを「説明/記述」する練習でした。会話の流暢さのレベルと組み合わせて考えると、
- 「正確に認識してもらえるか(recognition)」という目標にはじまり、
- 「ディテールを付け加えてわかりやすくしていくか(detail)」という段階に進化し、
- 最終的には「説明しているモノに関わる自分の思い出等などを付け足して、相手に興味を持ってもらう(connection)」
といったレベルをクリアしていくのが目標となります。
練習としては、以下を行いました。
- 椅子の写真をGoogleで複数検索し、その中の写真の一つについて説明する。二人一組で行うが、お互いにどの写真について説明しているかは相手には言わず、相手にどの写真について説明しているか、あてさせる。
- 建物の写真を複数見て、その中の一つの写真について説明する。相手にどの写真について説明しているかあてさせる。
その後、クラスでどのような説明が効果的か?という点についてディスカッションを行いました。当然の事ながら、detailの説明が有効である事が再認識できます。例えば、建物について説明するのであれば、窓の形状、屋根の形状、屋根の色といった内容について事細かく説明する方がといった流れです。
もう一つ、この練習のポイントは「比較的どうでもいいトピック」について話をしている事だと思います。家具が趣味だったりしない限り、椅子について詳しい人はなかなか居ないでしょうが、そういったあまり興味が無いトピックにおいてもdetailの説明を試みることで、「会話の流暢さ」を磨く事が出来るのかな、と思いました。この練習は、自習にも適していますね。
DAY1の最後に宿題です。"Describe a room"というお題で、2分間に渡って部屋について説明をする、というものです。宿題の提出は講師の留守電に吹き込む!?というカッコいい形式です。 形式はさておき、この宿題のポイントは「2分間」という縛りが加わっていることです。オフィスの説明にせよ、家の説明にせよ、部屋の話だけで2分間も(電話に向かって)話し続けるのは、なかなか難しいです。detailを説明するだけではネタ不足なので、どうしてもその部屋にまつわる自分の思い出などを語る必要がでてきます。結果として、descriptionの最後の目標であるconnectionを強制的に実践することになります。
ちょっと長くなったので、DAY2の内容はまた別のエントリでご紹介します。